「宗円さんと嘉兵衛さん」　　　　グリーンティーの通販ならつぼ市製茶本舗

2020/06/17

—江戸時代、永谷宗円さんが私たちが急須で飲んでいる煎茶の原点になった青製煎茶製法を15年かけて発明し、江戸に出発した続きです。

　江戸に到着した宗円さんは何軒もお茶屋さんをまわりますが、けんもほろろに断られ続けます。
　日本橋に差し掛かった時に「山本屋」という日本橋でも大きなお茶屋さんが目につきました。上から読んでも山本山、下から読んでも山本山。あのお海苔で有名な山本山さんの元のお店です。
　「ここで最後にしよう。」と宗円さんは覚悟を決めました。
　話を聞いてくれたのが、当時４代目の山本嘉兵衛さん。とても感動してくれ、「こんな素晴らしいお茶は見たことがない！自分が宇治に行った時の新緑の茶畑を歩いているようだ！」と宗円さんの15年の苦労も感じ取ってくれました。
　このお茶を「天下一」と名付け、「自分が江戸中に売るから、これからも美味しいお茶を作ってほしい。」と言って小判10枚を宗円さんに渡したという話が残っています。
　宗円さんも最初は受け取れないと言ったそうですが、嘉兵衛さんには先見の明があって、「この10両で村人が安心して宗円さんの製法のお茶を作れるよう整備をするのに使ってほしい。そして、毎年お茶を買うので今後もお茶づくりに専念してほしい」と言って渡したそうです。
　そして、山本家は明治の初めまで小判25両を毎年永谷家にお礼として贈り続けました。これは宗円さんが15年間やってきた事への敬意と感謝で、100年以上山本家は贈り続けて繁盛し、宗円さんの子孫も永谷園を創設し、お互いの家がお互いを重んじることで発展していった… そういう歴史の中で、私たちの飲んでいる煎茶は生まれました。（次回に続きます）


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