今年も、あっという間に季節が巡り、年の瀬がやって参りました。
この時期となりますと、なにしろ、「師走」というくらいですから、
周囲も自分も慌しくなり、なんとなく落ち着かない気持ちが続きがちです。
そして、そういった時に、アクシデントが起こってしまいます。
1年間を何事もなく、もしくは「終わりよければ全てよし」と言うように、
年末こそは何事もなく、きっちり終えられるように、
お茶の時間を毎日少しだけでも用意して、
ほっとひと息ついて、この年を締めくくりたいものですね。
無病息災で今年を締めくくり、そして来年もどうかお元気で。
今月は、そんな思いを込めたお茶をご紹介します。
こちらが、つぼ市の「大福茶」
大福茶(招福金付)
「オオフクチャ」「オオブクチャ」と呼ばれ、千年以上の歴史をもつお茶です。
時は平安中期、天暦5年(951年)。その年京都では疫病が流行り、
多くの人々が苦しむひどいものでした。その時代、民衆に寄り添った活動を行なっていた、
阿弥陀聖とも呼ばれた空也上人は、その疫病が猛威を奮う光景に心を痛め、
皆にお茶をふるまいながら、人々の健康を共に祈りました。
後に、その話を聞いた村上天皇が飲んだこともあって、
「皇が服するお茶」から「皇服(王服)茶」と呼ばれるようになり、
健康を祈願することと、幸福を呼ぶこととが関連付いて、
現在では「大福茶」と書かれるようになりました。
京が起源のお茶のため、関西中心に大福茶は知られており、
京都の北野天満宮や、空也像のある六波羅蜜寺では正月に振る舞われています。
つぼ市の大福茶には、縁起の良い「招福金」が付いております。
お茶に浮かべれば、芳醇な味わいとともに、華やかな雰囲気を楽しめます。
今年の締めと新年の祝事に大福茶をぜひお召し上がりください。
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みなさまは普段、どういった時にお茶を飲まれますか?
朝目覚めた時、食事時、ほっと一息つきたい時、団らんの時。
どんな時でもお茶はやすらぎを与え、
会話を生み、人とのつながりをもちます。
お茶と、人と、人と。
みなさまにとっての「お茶のある暮らし」が素敵なものでありますように。 |