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― おもてなしの心 ―


お客様がお越しになると、その家の亭主がベストを尽くしてお茶をお出しする。
そのおもてなしの心が、お茶の心です。
千利休たちが活躍した時代から、お茶会は、亭主が(たとえそれが時の権力者であっても)心を込めて客をもてなすことが茶の湯の心得となっていたそうです。


茶道では、お湯を沸かすところからお客様にお付き合いいただきます。
それは、丁寧に心を込めてあなたをもてなしますよと、意思表示をしているのです。
「亭主」というのは決して男性という意味合いではありません。そのお客様が訪ねて来られたその相手がもてなすのです。

茶道具や掛け軸を褒めたりするのは、もてなしのために準備したであろう物に対して、気づいているという事を伝えるためでもありますし、コミュニケーションをとるためのきっかけ作りでもあります。
茶道は型の決まった動作や、それに対するマナーが細かくあるように感じますが、それはお互い親しく話ができるように考えられたマナーなのです。


つぼ市には、世間でよく聞く「お茶くみ係」という社員は存在しません。
亭主がお客様にベストを尽くしてお茶を差し上げるという、もてなしの心が「茶の神髄」であるという先代の考えが継承されているからです。
したがって、お越しになるお客様に対しては、訪ねていただいた者が自らお茶をお出しします。それは、社長でも専務でも常務でも一般社員でも同じです。
わざわざお越しいただいたことに感謝し、親しくお話が出来るようにお淹れします。

お茶を飲むスタイルよりも、この「おもてなしの心」を千利休は伝えたかったのかもしれませんね。